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「本当の親が知りたい。それだけなんです。知る怖さはあるけど、知らないでいるほうが幸せだなんてことは絶対にない。近所の親子連れを見ても、親子が出てくるドラマを見ても”俺の本当の両親はだれなんだ”と考えてしまいます。50歳をすぎて本当の親を知っても、いまさら人生は変わらないでしょう。それでも知りたい。仮に私が生まれたとき30歳だったら、もう80歳。時間がないけど、ギリギリ間に合うかもしれない。母だって本当の子供に会いたいはずです。私は最後の親孝行に、母の本当の息子も探したいんです」(小林さん)
取り違えの事実を突きつけられた被害者たちは、順天堂がいうように「平穏な生活」を乱され、恨んでいるのだろうか。1958年に都立墨田産院で取り違えられた江蔵智さん(60)が実名を明かして語った。
「私は父母と弟の4人家族で育ちましたが、小さいころから、家族のなかで自分だけ違うと感じてきました。どうして性格がこうも合わないのか、と思うことが何度もあった。笑うところも怒るところも私だけ違ったんです。顔についても、親戚が集まるたびに”どっちにも似てないね”と言われ、叔父に”チヨちゃん、浮気してたんだろう”と言われるたびに、いつもは勝気な母が泣いていました」
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